男奥村の男のパパ活!

男奥村の成功のパパ活記録

男のパパ活 宮沢に執拗に突っこむおれの内心

宮沢と出会い、宮沢ん宅で一晩明かし、翌日昼を過ぎてもおれは宮沢と一緒にいた。男のパパ活を初めて以来、初めての展開だ。でもそれはオレ自身が決め、選んだ行動だ。


嫌な思い出しかないこの家を売却する前に、ひとつでいいから良い思い出を作りたい。


男のパパ活を始め、初めて受けた種類のリクエストにオレはやる気満々だった。このリクエストにこそ100点満点で答えなくてどうすると思っていた。同時に、土地と建物を売却した金をそっくりそのまま戴いちゃおうとも思っていた。


おれは慈善事業家じゃない。山口先輩みたいに清廉潔白を売りにしているわけでもない。正直女とやりてえし、今持ってる札束ばらまいて好き放題女とやっちまってもいいかな的な気持ちはずっとある。マスク外して大っぴらに酒かっ食いてえし、道端で好きな女の子とキスもしたい。それがおれだ。


でも、何故か、困ってる奴を見ると無視できない。面倒くせえなあと思いつつも関わっちまう。


面白そうな匂いがすれば尚更だ。少々危なかろうがなんだろうが、虎穴にいらずんば虎児を得ず!でグイグイ行ってしまう。


これもおれだ。奥村だ。


そして「こんなことできねーだろ」とか「無理だよな」とか言われるのが死ぬほど嫌いだ。やる前から決めつけられると無茶苦茶腹が立つ。


だから、一番最初の瀬戸君が、奥村君はノンケだから男とエッチとかできないでしょ、と言われて、むかつき、他の男はどうだかしらねーが、おれは違う!と強く言い返した。それが男とのエッチだろうが、しゃぶるだろうが、人がやってできないことを「できない」と決めつけられるのが心底嫌いで許せない。


宮沢は、もしかしたら、心のどこかでおれのことを疑っているに違いない。どうせできねーだろうと思ってるに違いない。実はそんな気持ちもあった。何故なら宮沢は自分の性趣向を親に真っ向から否定され、病気扱いされ、そんな両親がある日突然事故で死んでも、「あばよ」くらいにしか思ってない、それくらい、人生を自力で這いつくばってでも、ここまで来ている野郎なのだ。


どうせこいつも口だけだろ。


宮沢がおれのことをそう思っていたって、無理からぬことだ。だったらおれはその予想が間違っていることを証明してやる。だからムキになって宮沢のプライバシーに突っ込んでいるのだ。