男のパパ活 先輩の予期せぬ告白
先輩の怒涛がおれの体に炸裂した。
うお!!あつっ!!
おれは思わず叫んだ。熱い。そして先輩をぎゅうっと抱きしめた。高校からずっと一緒の先輩、もう7年になるが、こんなふうに私的に抱き合ったのは初めてだった。でも、全然違和感なく、一緒になれた気がした。
先輩は荒い息を続け、おれの体にでっかい体を任せ、おれの背中に回した腕の力を少しずつ抜いていった。顔はまだおれの右肩にある。きっと照れてどうしていいのかわからんくなっていることくらい、長年の付き合いのおれにはわかっていた。
先輩。めっちゃ好きです。痺れました。
お、おう。お前もな、いい仕事っぷりだった。気持ちよかったわ。
キス、いいすか。
おう。
おれと先輩はもう1度、ノリとか勢いとかそういうんじゃなく、ちゃんとわかった上でくちびるとくちびるを合わせた。
奥村、お前がハマってる理由、わかった気がするわ。おれもハマりそうや。
でしょ。先輩絶対そうやと思います。
そうやってなんやねん。
男のパパ活向き体質。
ビール飲みたいわ。ある?
ありますよ、もちろん。乾杯しましょか。
先輩はマッパのまま、おれはパンイチで、床に座りビールの栓をプシュと開けた。寮にいる時、よくこうしてふたりで飲んだ。コロナですっかりご無沙汰のうちに先輩は卒業してしまったんや。
ところで先輩、会社どうすか。ラグビーやめてないっすよね。
おう、頑張ってんで。
じゃ、なんでまたおれに連絡してきたんすか。
おもろいことやってるって噂聞いたからや。
ほんま、そんだけすか。おれてっきり借金で首回らんようになったんか思ってましたよ。
アホか。正解や。
ほんまにもう、、。先輩どこまでやんちゃなんすか。てか興味本位で聞きますけど、何に金使っとるんすか。
車や車!
あ、あー、車すか、納得すわ。先輩あれ買ったんすか?
せやから買いたい思うて連絡したんや。
あー!!!わかりましたわかりました!助手席いちばん乗りはおれっすね!
あったりまえやろ。奥村、お前、おれがどんだけお前のこと好きやったかわかってないやろ。
先輩、酔うてます?
アホか。こんなんで酔えるか。ついでやからいうとくわ。
ちょちょ、なんなんすか。おれなんもしてないすよね。不気味やわあ。けつほらせろとかマジで勘弁すよ。
あかんのか。
あかんに決まってるでしょ!おちょくんのやめてください!え。これマジでいうてます?
奥村。
はい。え、なんなんすか。車の話、嘘すか。
助けて欲しいんや。ごめん。嘘ついとった。回りくどいこと言うてほんまにごめん。もうニッチもサッチも行かへんのよ。