男のパパ活 桁外れの金持ちを掴んだ後輩中村
男のパパ活にいちばん向いていたのは中村だった。やり初めて1年経つ頃には、おれも西田も、顧客から貰う金額は多少の差こそあれ、ほとんど同額になっていた。今大体、月200万くらい。今はやり始めた頃と違って練習もあるし大学の授業もあるし寮生活も通常に戻っているから、あの頃みたいに毎日のようにやるってわけにはいかないが、それでも200万という数字を割り込むことはなくなった。西田も大学を辞めずに済み、ラグビーに打ち込んでいる。
ところが、中村だけは桁違いになった。ついた客が途方もない金持ちで、ちょっと次元が違うというか、ハイヤーみたいな長く黒い車が寮の近くまで迎えに来るようになった。
おい中村、お前どうなってんだ。あんなでかい車に乗り込んでるの誰かに見られたら噂になるぞ。
大丈夫すよ。
どこが大丈夫なんだ。どう説明する気だ。
親父が仕事で東京来てるって言うだけっす。
オヤジ?
はい。オヤジっす。実際父ちゃんて呼んでるし。おれの父ちゃんになったる言うてくれはって。
なんだって?
好きに使えって、カードもくれました。
嘘だろ、なんだそれ。
Apple Payにしてくれたんすよ。使いたい放題っす。
おいおい、大丈夫か。やばい人じゃないだろうな。
やばいかどうかなんかわかんないっすよ。でもおれには優しいんでそれでいいじゃないすか。てかなんなんすか。
いや、その、ちょっとな、気になって。ごめん悪かった。溜まってんのかな、、。
客に抜いてもらってないんすか。
おいおい、そう言うこと言うなよ。お前はどうなんだ。そのオヤジに、抜いてもらってんのか。
当たり前じゃないすか。パパ活すよ。もう自分で抜く必要無くなったし、好きなだけ声出せるし天国っすわ。
声出してんのか。
出しますよ。そら。気持ちいいですもん。オヤジの背中に爪立ててます。
くそ。どいつもこいつも。そういえば、このところ出してなかったことを思い出した。パパ活する前は毎日抜いてたのに、1年経って自分で抜くってことをしなくなった。かと言って戸山さんが毎回抜いてくれるわけちゃうから、おれのキンタマは爆発寸前だ。