男のパパ活 ハイアット26階で菜々緒が仕掛ける!
チェックインしてくるからここで待ってて。
菜々緒は背中で言い、相変わらずめっちゃいい姿勢でフロント目がけ、颯爽と歩いて行った。めっちゃいいケツしてそうだった。旨すぎる話には極め付けのオチがつく、おれはめちゃくちゃワクワクした。どうなるおれ。
一応、超小型ボイスレコーダは装着している。これはもはや男でも出会い系の必須アイテムだ。菜々緒から誘ってホテルに来ている会話がきっちり録音されている。
菜々緒は相変わらず颯爽と戻ってきた。コロナ真っ最中の閑散としたホテルのロビーで、菜々緒とおれは目立ちすぎだ。美女と野獣。ぴったりじゃねーか。
26階の部屋におれたちはシケこんだ。もう何があろうと後悔しない。おれはふかふかの廊下を今にもスキップしそうだった。しんと静まり返った感じがエッチだ。前にも後ろにも誰もいない。ここで始めちゃうっていうのもありだな。しかし客はあくまで菜々緒だ。勝手なことはできない。
うわ、すげ!広っ!!
あまりの豪華さに思わず声が出た。ゴージャスな部屋が似合う菜々緒。私を好きなようにしてとか言っていきなり服脱いじまったらおれはどうしたらいいんだ。公園の緑が広がる大きな窓を背中に菜々緒がおれを見つめている。何を欲しているんだ。おれは何をすればいい。菜々緒教えてくれ。
どうしちゃったんすか。なんか無口っすけど。
あ、ああごめん。ちょっと前付き合ってた男のこと思い出しちゃって。実はここ、その男とよく使ってたんだ。
思い出のホテルすか。
まあそんなとこね。奥村君と来てるのに、前彼のこととか思い出してる女って最低だよね。嫌んなる。
思い出しちゃえばいいじゃないっすか。したいようにすれば。おれのことはいいんです。
何生意気言ってんの。そういう口きくのは24、5歳の女の子相手にしときなさい。
どこまでも菜々緒っすね。おれはどうしたらいいすか。なんでもしますよ。ん、菜々緒さんはおれとエッチしたいと思ってるんすか。
んー。それがよくわかんないんだよね、自分が何をしたいのか。
おっと、深いっすね。おれ意外とそういう話好きっす。なんかすげーエッチい。
どうしてよ。笑
年上の女が、特に菜々緒さんみたいな経験豊富そうな人が、自分がどうしたらいいかわからずに途方に暮れるってエッチじゃないすか。
奥村君、キミ何者?ただのラグビー部じゃないよね。
それ、前にも誰かに言われました。誰だったかな。確か菜々緒さんと同じ歳くらいの男の人。もしかしておれ刑事に見えます?
そうじゃなくて。笑 やりたいだけの肉食獣には見えないってこと。何か飲もっか。お酒飲んじゃう?
いっすね!飲んで食って、おれだったらこの景色見ながらしこって出しちゃいますね。